失語症のリハビリ
失語症者は、右半身麻痺の合併症を持っている事が多いですので、リハビリの事を書きます。
普通、リハビリと言っているのは、リハビリテーション(rehabilitation)の省略語です。
この言葉の、接頭語の[り(re)]の意味は、再びとか、もう一度、
次の[habilitation]の意味は出来るです、この二つの言葉を合成して、
「もう一度できるようにする」という意味になります。
医療では、「障害者の日常生活動作と生活の質を向上する」ということです。
もっと、やさしく言えば、「障害者の生活再建」です。
ADL (activities of daily life) 日常生活動作
日常生活で必要な動作。 食事、入浴、歩行、更衣、トイレ等の動作。
QOL (quality of life) 生活の質
生活での満足感の充実。 仕事、家庭、趣味、対人関係等様々な事の豊かさ。
PT (physical therapy) 理学療法(理学療法士)
理学療法は、運動療法と物理療法から成り立ち、
障害者の生活範囲を広げる事ができます。
運動療法
神経生理学的な発想に基づいて、麻痺の治癒に効果が期待される刺激を与え、障害者が自力で生活できるよう、筋力の強化、関節の作動、歩行訓練等を訓練します。
物理療法
電気、熱、水等を使って、温度・圧力・振動等を与え、運動療法の補助にします。
OT (occupational therapy) 作業療法(作業療法士)
作業を行う事を通して生活の質の向上を計ります。
いろいろな工夫や訓練で、今まで不可能だと思っていた動作ができるようになります。
ST (speech therapy) 言語訓練(言語聴覚士)
言語障害には、麻痺性構音障害と失語症があり、なかには、合併症の場合もあります。
麻痺性構音障害
運動領域を冒されますと、話をする筋肉の麻痺や筋力の低下で、言語障害が起こります。
ですが、考えたことを書いたり、目で読んだり、耳で聞いたりする能力には、何の支障もありません。
リハビリは、発音の訓練です。歌を歌うことも良いでしょう。電話で話ができればリハビリは卒業です。
失語症
左脳にある言語領域を冒されますと、言すこと・聞くこと、読むこと、書くこと、計算することに障害が起こります。詳しいことは、この webベージの始めの方を見てください。
介護
介護は、広い意味での、障害者の日常生活を助けることです。
介助
障害者に残っている機能を高め、自分でできることを、増やすための手助けをすることです。
つまり、できないことを少しサポートして、できるようにする事です。
本当に必要なことだけサポートする
介助者が行った方が、早いのですが、それでは、障害者の残っている機能を向上することができません。なるべく手を出さないことが良いのです。
残っている機能の確認
障害者にどんな障害があり、そして、どこは正常な機能があるかを冷静に確認してください
病院でのリハビリを見学したり、介助法の指導を受けておくとよいです。
例えば、ベットから車椅子に乗り移りますのに、車椅子をベットの左側に置いたのでは、一人で移れませんが、右側ならできる、ということもあります。
回復曲線(学習曲線)
学習・訓練・リハビリ等で失語症の回復度をグラフで表したまのです。
グラフは、時間を横軸に、回復した量を縦軸して、回復の過程を記録したものです。
この曲線は、立ち上がりは、急角度で、時間の経過とともに、角度は、緩やかになり、長時間経過後は、漸近線(障害が治りきる限度)に近づいた、やや右上がりか、水平に近い曲線になります。
もう少し、分かりやすい言い方をするなら。失語症の回復は、最初は顕著ですが、だんだん効果が上がらなくなり、そのうちに言語訓練の効果は、とても小さくなります。
プラトー
プラトー(plateau)の一般的な意味は、高原です。リハビリでは、障害がこれ以上治ることがないと言うことです。
言語聴覚士から「失語症の回復には、プラトーはありません」と言われた事があると思います。この意味は、失語症は症状が固まることがなく、何時までも少しずつではあるが良くなるということです。
ここが、他の後遺症とは違うのです。ですが、けっして発症前の状態には、戻れないのです。
評 価
リハビリテーションの評価とは、障害の程度を機能障害・能力障害・社会的不利等の多方面から観察して決めることです。
機能障害
障害部の筋肉の強さ、関節の曲がり具合等などで、障害が目で見えるものを言い、物理的尺度で評価します。
能力障害
話せない、字が書けない、歩けない、着替えができない等の人としての基本的動作への障害を評価します。
社会的不利
障害のため外出できない、仕事を失い、収入もない等、障害者を取り巻く社会生活上の不便さを評価します。
これらの評価を勘案して、障害者の状態を把握し、治療・訓練を行うとともに障害者・家族の指導・助言を行います。
リハビリの概念には、個人個人で解釈の違いがあり、不明確な点があります。訓練のみと考えますか、体を動かす事すべてと考えますかです。
この不明確な概念が、入院中のみリハビリを受ければよい、リハビリは一生続く、リハビリは続けた方がよい、とかいろいろに言われる理由の一つだと思います。
どこまでは医療として治療・訓練を行いますか、ある目標を定めて治療・訓練を行い、所期の目的が達成されたら治療・訓練は、終了とみなすかが不明確なのです。
リハビリの目的
リハビリは、関節が固くなるのを防ぐ、筋力を強くする、体の柔軟な使い方持久力を付けることと、変形の進行を予防することです。目標をしっかり意識してませんと、怠けてしまいます。
リハビリは、自主的に行う
最初のリハビリは、療法士が手取り足取りで、他動的なリハビリですが。徐々に回復してきますと、療法士は介助と指導の方に重点おき、障害者が、できるだけ自分でするようにします。
最初のイメージがあるため、リハビリは、やってもらうものと、思っている人が多いのです。この誤解のため、在宅では、手をかけてもらえませんから、リハビリはできない、という考えになります。
在宅リハビリは、自主的に行うのが建前です。自分で行うことで、体の様子を理解でき、どこが悪いか、どうすれば具合が良くなるかが分かります。
どうしても自分でできないリハビリは、家族にお願いすることになります。家族も気軽な気持ちで付き合ってください。
生活の質(QOL)の向上
その人ができそうな日常生活動作(ADL)の基本ができるところまでを医療として行うことです。
その後は、家庭で自分でできる訓練(病院等から指導されたリハビリプログラム)を毎日行えば、効果があります。
また、地域の保健福祉施設にある機能訓練教室等に参加したり、リハビリの訪問システムを利用することもよいでしょう。
病院やリハビリセンターだけが、リハビリをしているのでは、ないのです。
医療は「生命」を基本にし「悪くなった臓器」に焦点を合わせます。リハビリは「生活」を基本にし「残った機能」の活用法なのです。
残った機能を育てましょう
リハビリテーションには、医師・看護婦・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・心理療法士等の職種が有機的に関係しており、チーム医療とも言われています。もちろん、その中心になるのは、障害者自身です。
リハビリで、障害を克服するには、障害を受けた箇所だけを目標にしては駄目なのです。失った機能を完全に元に戻す事は、大抵の場合不可能なのです。
ですから、幸いにも残っている機能を訓練して、障害で動作が不安定やできないところの補助をすることが、大切なのです。
病院で行う言語訓練やリハビリの卒業
このベージは、特殊な機器を使っている方や、変形の進行を防止するためにリハビリを受けている方を除いた方を対象に書きます。
これから書くことは、障害者・家族・医療関係者から、非難や拒否される事は分かっていますが、世の中には私のような考えの人もある、ということを知ってもらいたいのです。
病院は、特別なことがない限り、診療を拒否しては、いけない事になっています。ですから、言語訓練やリハビリで通院してきた患者には、その必要がなくても、拒否することはできず、ずるずると長期間継続して、しまうことになります。
つまり、リハビリ中毒に陥るのです、その原因には、社会の仕組み、医療体系の問題もありますが、言語訓練やリハビリという言葉には、どことなく進歩的で響きもいいですし、やればやるだけ良くなるように思えますので、ついつい通院してしまうのです。
そのうちに、言語訓練やリハビリに通うのが、生きる目的になり、重度リハビリ中毒になってしまいます。
病院での言語訓練やリハビリは、いつ卒業(終了)し、その後は在宅での言語訓練やリハビリにするのかを明確にする必要があると思います。
患者も言語訓練やリハビリの目的を再考すべきだと思い、少し書きます。
言語訓練やリハビリは、幾らやっても、発症前の状態には戻らないのです。
症状の重い方は、通院の困難さと諦めから、割合早期に在宅リハビリになりますが、軽い方は、人手を煩わすこともなく通院でき、ももう少し治れば、発症前の状態に戻れるということで、ついつい通院してしまうのです。
では、とこまで治れば卒業か、これは、なかなか難しい問題ですが、私的な考え方を述べます。
学習曲線の漸近線のことをもう一度考えましょう。漸近線は、その障害者が治りきる限度です。その限度は、専門家である、ST.PT.OTが過去の事例を参考にして、障害の大きさや位置と、障害者の年齢・気力・健康状態・発症前の生活環境・現在の生活環境・家族の介護等を勘案して、決めるしか方法がありませんが、一応限度を決め、言語訓練やリハビリを開始し、治療の具合を見て勘案し、修正します。
その限度の 60〜80% まで回復したら在宅での言語訓練・リハビリに切り替える目安になると考えます。
この考えの基本は、言語訓練・リハビリの目的は生活の質(QOL)の向上にあります。ですから、ある程度QOLが向上し、それ以上向上するのに要する時間・経済的負担・介護に要する人手と、向上するであろう量とを比較すれば分かることだと思います。
もう一つ追加しますと、失語症は家族と一緒に生活していれば、気楽な気持ちで、話を聞いたり話をしたりします。これも、言語訓練になります。
また、脳には自然治癒性がありますので、時間とともに少しずつではありますが、良くなっていきます。(漸近線を越えることはありません)
リハビリを受けている方の障害は、割合早期にブラトーになります。ブラトーになったら、回復は困難です。ですから、障害を治すことも大事ですが、残っている機能を上手に使ってQOLを向上することの方が大切なのです。これは、PT・OTから指導をうけ、自分で練習すのです。これは在宅でできます。
理屈は分かりましたが、在宅では、心配だと思われる方の方が多いと思います。
地域の保健所・福祉事務所・市町村の福祉担当課・身体障害者デイサービス・在宅介護支援センター等が、在宅障害者をフォローすることになっております。65歳以上の外部障害者には、あるていどフォローされていますが、65歳未満の方や失語症等の内部障害については、誠に寂しいのが実状です
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失語症は話すこと、見ること、聞くこと、読むことなどの人間の機能に 障害をもたらす言語障害の一つです。 失語症の改善の為のリハビリや失語症の特徴を考えよう。
失語症は話すこと、見ること、聞くこと、読むことなどの人間の機能に 障害をもたらす言語障害の一つです。 失語症の改善の為のリハビリや失語症の特徴を考えよう。
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